last modified: 2021-11-03 21:30:25
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Under Construction

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ボリューメトリックBPT (Volumetric BPT)

双方向パストレーシングを関与媒質を扱うように拡張するときに考えること。

多重重点的サンプリングのウェイト

例えばそれぞれの頂点数が3点ずつのサブパス $ \bar{y}, \bar{z} $ の接続を考える。完全なパス $ \bar{x} $ を生成する確率密度は次のように示すことができる。 \begin{eqnarray*} p(\bar{x}) &=& p_{\mathrm{conv}}(\bar{y}) p_{\mathrm{conv}}(\bar{z}) \times \\ && p_d(\by_0 \RAR \by_1) p_d(\by_1 \RAR \by_2) \times p_d(\bz_0 \RAR \bz_1) p_d(\bz_1 \RAR \bz_2) \times \\ && P_{\mathrm{con}}(\by_2 \LRAR \bz_2) \end{eqnarray*} ここで $ p_{\mathrm{conv}} $ は物体表面だけのBPTで考えた、サブパスの各頂点を生成する面積測度に関する確率密度の積である。したがって物体表面だけの場合にはそれらの積 $ p_{\mathrm{conv}}(\bar{y}) p_{\mathrm{conv}}(\bar{z}) $ が完全なパスを生成する確率密度となっていた。(ただし位相関数のサンプリングの確率密度なども含んでいるものとする。また頂点が媒質内の点にもなりうることを扱うために厳密には面積測度ではなく体積測度に関する確率密度の積となる。)ボリュームレンダリングの場合には、方向サンプリングの後に自由行程(距離)のサンプリングが必要となる。$ p_d(\bx \RAR \bx’) $ は頂点 $ \bx $ から $ \bx’ $ までの自由行程をサンプリングする確率密度を表している。また、サブパスの端点間でも媒質による減衰が生じるため、ここでは一旦サブパスの接続も確率的に行うものとして、その確率密度を $ P_{\mathrm{con}}(\by_2 \LRAR \bz_2) $ としている。

このパスのMISウェイトを求めるにあたって、他の戦略の確率密度を考える必要がある。通常のBPTと同様にそれぞれのサブパスの確率密度の比だけを考えれば良い。例えば戦略 $ (2, 4) $ を考える場合には $ p_{\mathrm{conv}} $ の変化に加えて自由行程サンプリング・確率的サブパス接続にも次の変化が生じる。 \begin{eqnarray*} \frac{p_d(\bz_2 \RAR \by_2) P_{\mathrm{con}}(\by_1 \LRAR \by_2)}{p_d(\by_1 \RAR \by_2) P_{\mathrm{con}}(\by_2 \LRAR \bz_2)} \end{eqnarray*} 一様媒質の場合にはこれは素直に実装できるのだが、非一様媒質の場合には問題がある。自由行程のサンプリングは、基本的にボリュームレンダリング方程式の距離に関する積分をモンテカルロ積分するために用いる。delta trackingはモンテカルロ法で蓄積する「非積分関数の値を確率密度で割った値」自体は知ることができるのだが、それぞれの値は解析的には知ることができないのである。
それではボリューメトリックBPTのMISウェイトは自由行程サンプリングの影響を無視して従来通りの方向サンプリングによる確率密度の積だけで妥協しなければならないだろうか(MISウェイトの規則は守っているのでunbiasedな推定は可能。効率が下がる可能性がある)。実は自由行程サンプリングと一緒に新たに導入した要素、確率的なサブパス接続を一緒に考えることでこの問題はほとんど杞憂であったことに気がつくことができる。

確率的なサブパス接続をトランスミッタンスに等しい確率(delta trackingを用いることで実現できる)で行うとする。したがって $ P_{\mathrm{con}}(\by_2 \LRAR \bz_2) = T(\by_2 \LRAR \bz_2) $ と考えることができる。またdelta trackingによる自由行程サンプリングの確率密度関数は、トランスミッタンスをサンプルした距離(位置)における消散係数で割った形として表すことができる。例えば $ p_d(\by_0 \RAR \by_1) = T(\by_0 \LRAR \by_1) / \sigma_e (\by_1) $ として表すことができる。
これらを上記の自由行程サンプリングと確率的サブパス接続の要素に生じる確率密度の変化に代入すると次の関係を得る。 \begin{eqnarray*} \frac{p_d(\bz_2 \RAR \by_2) P_{\mathrm{con}}(\by_1 \LRAR \by_2)}{p_d(\by_1 \RAR \by_2) P_{\mathrm{con}}(\by_2 \LRAR \bz_2)} &=& \frac{\displaystyle \frac{1}{\sigma_e(\by_2)} T(\by_2 \LRAR \bz_2) T(\by_1 \LRAR \by_2)}{\displaystyle \frac{1}{\sigma_e(\by_2)} T(\by_1 \LRAR \by_2) T(\by_2 \LRAR \bz_2)} = 1 \end{eqnarray*} なんと自由行程サンプリングの確率密度とサブパスの接続確率が見事にキャンセルしあうことで、別の戦略を考える際の自由行程サンプリングと確率的サブパス接続の要素に生じる確率密度の変化は無かったということがわかる。なお、サブパスの接続は(ratio trackingを用いて)必ず行うという場合にも、確率的な演算を期待値(ratio trackingの場合には期待値自体が確率変数になるが。)で置き換えるという操作を行うだけなのでMISウェイトの計算はそのまま使えると思う(多分)。

参考文献

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